屋根の豆知識

瓦屋根修理の方法や費用相場を解説

瓦屋根は古くから採用されており、見た目や長持ちすることから人気の屋根材のひとつです。

しかし、すでに瓦屋根を採用している方の中には「瓦屋根が破損した場合どのように修理をしたらよいのか」「高級感がある見た目から修理費用も高額になるのではないか」と、心配される方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、瓦屋根の修理の方法や修理費用の相場についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

【症状別】瓦屋根の修理方法

瓦屋根は破損箇所や状態によって修理方法が異なります。ここでは、代表的な瓦屋根の破損症状別に解説します。

瓦のひび・割れ・ズレ

瓦のひびや割れ、ズレは台風などの強風による飛来物や地震などの影響で起こることがあります。瓦のひびや割れ、ズレを放置すると隙間から雨水が浸入し雨漏りにつながる可能性があります。

雨漏りが起きていなくても野地板や防水シートが劣化しますので、早めに対応することが大切です。修理方法は、瓦の交換やコーキングなどの部分補修で対応します。

瓦のクギの浮き

瓦のクギの浮きは強風や地震による振動で抜けてしまうことがあります。経年劣化でクギがサビることで抜けたり折れたりすることもあります。

クギの浮きや抜けが発生すると、振動で割れたり落下したりする危険性があります。クギの劣化はなかなか普段気づきにくい症状ですが、もし異常を見つけたらその時点で対処することをおすすめします。

補修方法はクギを新しく打ち直します。補修の際は瓦の下の野地板や防水シートの状態もあわせて確認しておくと安心です。

瓦の色あせ

瓦の寿命は長く50年以上ともいわれています。耐久性の長い瓦ですが、日々紫外線や雨風にさらされているため、経年劣化で色あせも起こります。

日本瓦や粘土瓦は釉薬(うわぐすり・ゆうやく)と呼ばれる薬品を塗って焼き上げるため塗装が必要ありません。お茶碗などの陶器をイメージしていただければわかりやすいかと思います。

釉薬でコーティングされている瓦は高圧洗浄機などで汚れを落とすことで、もとの色合いが戻ります。セメント瓦などの塗装で仕上げる瓦に関しては、瓦専用塗料で塗り替えが必要となります。

漆喰の割れ・はがれ・崩れ

漆喰(しっくい)とは瓦と瓦の隙間を埋めるコーキングのことで雨水の浸入を防ぐ役割をしています。瓦では棟瓦の中に設置される葺き土を雨水の浸入や小動物の侵入を防ぐために漆喰を塗って防いでいます。

漆喰は15〜20年程度で劣化してきます。劣化すると漆喰が割れたりはがれたりします。屋根の上に白い塊のようなものがあれば、漆喰が崩れたものと考えてよいでしょう。崩れた隙間から雨水が浸入してくるため早急に漆喰の補修が必要です。

割れや崩れた漆喰の周辺もきれいに取り除き、新しく漆喰を塗り直します。既存の漆喰の上から重ね塗りする方法もありますが、すぐにはがれ落ちてしまうためおすすめしません。

棟瓦のズレ・破損

棟瓦(むねがわら)は頂上にある瓦のことで、瓦屋根とは垂直に一直線に伸びている屋根材です。棟瓦は葺き土の上に設置され、漆喰で隙間を埋めています。

棟瓦も屋根材の瓦と同じものになるため、割れやズレが生じます。棟瓦がズレると隙間ができるため雨漏りにつながる可能性があります。

補修は既存の棟瓦や葺き土、漆喰を取り除いてから新しい棟瓦・葺き土をセットし、漆喰を塗り直します。

野地板の劣化・腐食

野地板(のじいた)は屋根材と防水シートの下に設置する屋根の基礎となる部分です。野地板の耐用年数は30年程度です。野地板は通常屋根材や防水シートで守られていますが、屋根材や防水シートが劣化すると雨水が浸入し野地板を濡らします。

野地板に雨水が染み込むと腐食し雨漏りにつながります。一部のみの劣化であれば部分交換が可能ですが、全体的に腐食が目立つようであれば全面的に張り替えが必要です。張り替えの際は瓦と防水シートをすべて外して交換します。

防水シートの劣化

防水シートは屋根材と野地板の間に設置されています。屋根材から浸入した雨水を室内に入れないようにする役割があります。防水シートの耐用年数は20年程度です。

野地板も防水シートも瓦の耐用年数よりも短いため、定期的な交換が必要です。修理方法は劣化した防水シートを取り外して新しく入れ替えます。

旧工法の葺き直し

旧工法で瓦屋根が施工された屋根を修理する場合、耐風・耐震基準に則った工事をする必要があります。旧工法は昔からある葺き土の上に瓦を積み上げて銅線で固定しているだけで、台風や地震で多くの被害が出ていました。

こうした被害を防ぐために2022年1月より、耐風・耐震性のあるガイドライン工法で設置・改修するようルールが変更となりました。葺き直しは、すべての瓦に対してクギやネジ、補強金物で緩みやズレが生じないようしっかり固定する必要があります。

ガイドライン工法への葺き直しは、国や各自治体からの補助金を受けられる場合もあるので確認してみるとよいでしょう。

参考:国土交通省「あなたの家の瓦、緊結されていますか?」

参考:国土交通省「瓦屋根の改修工事のススメ」

瓦屋根のメンテナンス時期

日本瓦などは50年以上持つといわれていますが、環境によって異なります。しかし、野地板や防水シートの寿命は20〜30年程度と短いため、野地板などに合わせた20〜30年目がひとつのメンテナンスのタイミングです。

「【症状別】瓦屋根の修理方法」で解説した劣化症状が見られるタイミングもひとつですが、5年ごとなど定期的にメンテナンスすることで瓦屋根の被害を最小限に留めることができます。

瓦屋根の破損を放置するリスク

瓦屋根の破損を見つけた場合は、早急に修理を依頼することが大切です。瓦の破損を放置してしまうと建物に甚大な影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。ここでは、瓦屋根の破損を放置するリスクについて解説します。

雨漏り

瓦のひびや割れ、ズレを放置すると雨漏りにつながる可能性があります。瓦が破損して間もない状態ではすぐに雨漏りすることはありません。防水シートや野地板が健全な限り雨漏りから守ってくれます。

しかし、瓦が破損した状態が続くと防水シートや野地板も劣化し、建物内に雨水が浸入して結果的に雨漏りしてしまうことになります。

小動物による被害

瓦の割れや漆喰が崩れると、隙間からネズミやハクビシンなどの小動物が入り込むこともあります。小動物が屋根裏に住み着かれてしまうと糞や尿などをしてしまい、柱や基礎が腐食したり、異臭に悩まされたりします。

柱や基礎が腐食してしまうと、建物の強度が著しく下がり倒壊の危険性もあるため、早めの対処が重要です。

割れた瓦のズレや落下

瓦の割れやズレを放置すると、地震や強風で落下する恐れがあります。隣の家を破損させたり、下に人がいれば頭に当たり大怪我をさせてしまう可能性もあります。

瓦屋根修理の費用相場

瓦屋根の修理には部分的にできるものと、劣化の程度によって葺き替えや葺き直しなど大規模な修理になる可能性があります。劣化の状態や業者によっても費用は異なるため、目安となる費用を記載します。

部分的な修理費用

・瓦の差し替え:5,000円〜(1平方メートル)

・クギの打ち直し:10,000円〜(1棟)

・漆喰の塗り直し:4,000円〜(1メートルあたり)

・棟瓦の積み直し:15,000円〜(1メートルあたり)

・野地板の交換:3,500円〜(1平方メートル)

・防水シートの交換:1,000円〜(1平方メートル)

・瓦の再塗装:3,000円〜(1平方メートル)

全体修理費用

・瓦の葺き替え:16,000〜18,000円(1平方メートル)

・瓦の葺き直し:8,000〜10,000円(1平方メートル)

上記費用に加えて足場代が15〜20万円程度かかります。また、雨漏りが発生している場合は雨漏り調査費用が別途必要です。調査費用は調査内容によりますが3〜35万円程度かかります。

瓦屋根修理の注意点

ここでは、瓦屋根修理をするうえでの注意点について解説します。注意点は以下のとおりです。

DIYで屋根の修理はおすすめしない

瓦屋根修理に関わらず、屋根修理をDIYをでやるのはおすすめしません。屋根に登って作業をすることは危険な行為だからです。屋根は高さがあるだけでなく滑りやすいため転落する危険があり命に関わります。

また、瓦は踏み方によっては簡単に割れてしまいます。瓦は重なっているので1枚踏んで割ってしまうとほかも割れてしまう可能性があり、余計に被害を拡大させる恐れがあります。

2〜3社相見積もりを取って比較する

瓦屋根修理をする際は、必ず2〜3社から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。複数社から取る目的は修理費用の相場を知ることや、優良業者を見極めるためです。

悪徳業者の場合は不当な利益を上乗せして見積もりを作成する傾向があります。悪徳業者にだまされないためにも、必ず2〜3社に依頼して比較検討するようにしましょう。

自社保証やアフターサービスが充実しているか確認する

業者の独自保証や修理後の点検などアフターサービスが充実している業者を選ぶようにしましょう。自社保証がある業者は工事後に何か不具合があった際も対応してくれます。

工事後に定期的な点検や状況を確認してくれるサービスがあればなおよいでしょう。万が一に備えてリフォーム瑕疵保険に加入しているかを聞いてみてもよいでしょう。

リフォーム瑕疵保険はリフォーム工事後に欠陥が見つかった場合に、補修費用が工事業者に支払われて無償で修理できる保険です。

施工業者が倒産などで工事ができなくなった場合には、依頼者に保険金が支払われます。リフォーム瑕疵保険の加入は任意のため、すべての業者が加入しているわけではありませんので注意が必要です。

まとめ:瓦屋根の修理はR-primeへ!

瓦屋根は破損箇所や状態によって修理方法が異なり、症状に応じた修理が必要です。瓦が破損した場合はすぐに修理を依頼してください。1枚だけだから大丈夫だろうと放置してしまうと、雨漏りにつながります。また、破損した瓦が落下して怪我をしてしまう恐れもあります。

瓦屋根の修理でお困りであれば、R-primeへご相談ください。R-primeは屋根修理・雨漏り修理の専門業者です。お客様の予算や状況に応じた修理方法を提案いたします。ご相談やお見積り、現地調査は無料で行います。瓦屋根の修理は、ぜひR-primeへお問い合わせください。

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