屋根材「エコグラーニ」の特徴を解説
「エコグラーニ」という屋根材をご存知でしょうか?
エコグラーニはディーズルーフィング社が販売するジンカリウム鋼板を使用した屋根材です。耐久性に優れた素材でありながら軽量で耐震性にも優れています。屋根材の表面にコーティングされた自然石粒は耐風性能と防水・防火性能も兼ね備えており海外でも人気です。
そこで今回は、エコグラーニの特徴について解説します。加えて、エコグラーニのメリット・デメリット、どんな人におすすめな屋根材かについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
屋根材エコグラーニとは
エコグラーニは、株式会社ディートレーディングが販売する金属製の屋根材です。サビに強いガルバリウム鋼板と同じ組成のジンカリウム鋼板を素材として採用しています。屋根材の表面に、陶器瓦と同じ焼き製法を施した自然石粒が施されています。
この製法は、40年ほど前に開発され、抜群の耐久性と防音性、断熱性、防災性を実現しています。美観性にも優れており、欧米各国や北欧、南アジア、アフリカ、オセアニアなどさまざまな気候で性能を発揮し、高く評価されている屋根材です。
ジンカリウム鋼板について
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板と同じ組成を持つ鋼板です。名称の違いは、商標登録を取った会社によって呼び名が変わっています。
オーストラリアのBlueScope社が商標登録を取ったものが「ジンカリウム」、アメリカのBIEC international社が取得したものが「ガルバリウム」です。「ガルバリウム鋼板」という名称は日本の新日鉄住友金属が取得しています。
ジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板の組成は以下のとおりで、ほぼ耐久性は変わりません。
- ジンカリウム鋼板 アルミニウム55.0%・亜鉛43.5%・シリコン1.5%
- ガルガリウム鋼板 アルミニウム55.0%・亜鉛43.4%・シリコン1.4%
日本でのジンカリウム鋼板は自然石粒が吹き付けられているものが流通しているため、ジンカリウム鋼板=自然石粒付き屋根材として認知されています。
屋根材エコグラーニの特徴
ここでは、屋根材エコグラーニの特徴を解説します。
屋根材が軽量
エコグラーニの特徴のひとつとして超軽量という点が挙げられます。エコグラーニの重量は約7kgです。トタン屋根約5kg、スレート屋根約18kg、瓦屋根約50kgに比べても軽いことがわかります。屋根が軽量だと耐震性にも有利となり、耐力壁や通し柱が軽減できるため、自由な間取りも創り出せます。
メーカーの耐振動実験では、阪神大震災クラスの揺れでも屋根材にゆがみや変形がみられなかったというデータもあり、屋根材が軽いことは地震にも有利であることを証明した結果になっています。
夏の暑さや雨音が軽減される
エコグラーニの屋根材の表面にコーティングされた自然石粒は、夏の暑さや雨音を軽減させる効果があります。自然石粒は素材の鋼板への熱を伝えにくくする働きがあり、屋根材と下地材に十分な空気層も確保しているため、室内への熱を抑えています。
また、石粒表面の凸凹は雨粒を拡散する働きもあります。金属屋根は雨音が響きやすくなりますが、石粒の層ができることで雨音が抑えられ静かになるのです。
台風や強風に強い
エコグラーニはインターロッキング工法を採用しています。インターロッキング工法は屋根材同士をビスで固定し、さらに屋根の下地材に垂直に固定する方法のことです。
一体化して固定することで、台風などの強風にも耐えられる設計となっています。耐風実験では風圧40m/秒などの暴風にも耐えられる性能となっています。
メンテナンスコストが抑えられる
エコグラーニは塗り替えのメンテナンスが不要です。屋根材の表面に自然の石粒をコーティングしているためです。石粒は釉薬(ゆうやく)と呼ばれる着色方法で色付けしており、着色された粉をガラスの素を高温で焼き付けることで色付けしています。
釉薬はお茶碗や茶器などに使われる製法で、色あせがなく長期にわたって美観を維持できるのです。一般的な屋根材は10年や20年の周期で塗り替えが発生しますが、塗装が必要ないためメンテナンスにかかる費用を削減できます。
屋根材エコグラーニのメリット
エコグラーニのメリットは以下の5点です。
- 耐震性に優れている
- 塩害にも強い
- 雪が落ちにくい
- 防火性に優れている
- 30年の長期保証
- リフォームに最適
それぞれ解説します。
耐震性に優れている
エコグラーニはスレート屋根や瓦屋根に比べて軽量のため耐震性に有利です。屋根材が重くなるとその分重心も高くなり倒壊の危険が高まりますが、屋根が軽くなると重心も下へ下がるため、耐震性が向上します。
塩害にも強い
エコグラーニに使われているジンカリウム鋼板は金属製ですが、マグネシウムを組成に組み込むことでサビにも強くなっています。さらに、表面の石粒はセラミックでコーティングされているためよりサビが付きにくい構造になっています。
一般的な金属屋根は塩害の影響を受けサビやすくなりますが、エコグラーニは塩害地域でも使用が可能です。
雪が落ちにくい
エコグラーニの表面の石粒は蓄熱性と摩擦性に優れた効果もあります。雪が凍りつくのを防ぎ、摩擦抵抗によって雪が落下するリスクを軽減してくれます。雪止めの設置も必要ないため、費用の削減も可能です。
防火性に優れている
自然石粒は防火性にも優れています。エコグラーニは金属や石などの不燃性の素材でできていることもあり防火性が高く、火災が起きても延焼しにくいです。
1994年と2003年のカリフォルニアでの大規模な火災でも高い防火性能を発揮したとされています。国土交通省の不燃認定も取得しています。
30年の長期保証
エコグラーニの保証は30年と長期です。素材のジンカリウム鋼板はサビに強く耐久性にも優れ、耐用年数も25〜30年持つとされています。
そのため、ディーズルーフィングはジンカリウム鋼板のサビによる漏水や石粒の極度な色あせ、はくりに対して30年保証で品質をサポートしています。
リフォームに最適
エコグラーニは軽量のため重い屋根材からのリフォームに適しています。スレート屋根やアスファルトシングルの屋根材であればカバー工法が可能です。瓦屋根などの重い屋根材からは葺き替え工事をすることで耐震性も向上します。
屋根材エコグラーニのデメリット
エコグラーニのデメリットは以下の2つです。
- 輸入品のため価格が変動することがある
- 断熱材が使われていない
それぞれ解説します。
輸入品のため価格が変動することがある
エコグラーニは基本的に海外からの輸入品です。為替相場や原油価格高騰などの理由により、商品の価格が高くなる可能性もあります。国内に在庫があるかどうかも含めて、業者に確認することをおすすめします。
断熱材が使われていない
エコグラーニは断熱材が使われていません。断熱効果を期待するのであれば、断熱材を追加するか断熱材と一体型の金属屋根を選ぶ形になります。
しかしながら、エコグラーニは表面の石粒が熱を反射させる効果と屋根材と下地材のすき間の空気層により、熱伝導率は低いとされています。熱伝導率が低ければ断熱材と同様の効果は期待できますが、より効果を感じたい方は断熱材を追加するとよいでしょう。
エコグラーニがおすすめな人
これまでエコグラーニの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。ここではエコグラーニがどのような人におすすめできる屋根材なのかについて解説しますので、参考にしてください。
耐震性を重視したい人
耐震性能を重視したいと考えている人にエコグラーニはおすすめできます。エコグラーニは約7kgと軽量です。耐震性能は重心が下に行くほど向上します。屋根が軽量になることで、重心が下にいくため揺れが小さくなり耐震性が高まります。
メンテナンスコストを抑えたい人
エコグラーニは価格が高く初期費用がかかりますが、屋根の保証が30年と長く塗装も必要ないため、住んでからのメンテナンスコストを抑えられます。
一般的なスレートや金属屋根は10〜20年程度で再塗装が必要になり高額な費用がかかります。長く住めばその分費用がかかりますが、エコグラーニは塗装メンテナンスが必要ないため費用が削減できます。
ただし、屋根材の下にある防水シートや下地材や15年程度で劣化してきますので、こちらはメンテナンスが必要です。
豪雪地帯に住んでいる人
エコグラーニは表面の石粒が蓄熱性と摩擦効果を持っています。蓄熱性は凍結防止、摩擦効果は雪が滑り落ちることがありません。雪国での屋根の雪下ろしは危険を伴う作業です。事故のリスクを減らしてくれるエコグラーニは、豪雪地帯に住んでいる人にもおすすめです。
まとめ:屋根材エコグラーニの施工はR-primeへ!
エコグラーニは、株式会社ディーズルーフィングが販売する金属製の屋根材で、サビに強いジンカリウム鋼板を採用しています。屋根材の表面にコーティングした自然石粒は抜群の耐久性と防音性、断熱性、防災性を実現しています。
エコグラーニは軽量のため耐震性能を重視したい人や、耐久性もあるためメンテナンスコストを抑えたい人にもおすすめです。また、屋根材表面の自然石粒は蓄熱性と摩擦効果があり、落雪のリスクも抑えられることから豪雪地帯に住んでいる人にもおすすめの屋根材です。
R-primeでは、屋根修理や雨漏り修理以外にも、カバー工法や葺き替え工事にも対応しています。エコグラーニでリフォームをご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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