屋根材Tルーフシリーズとは?メリットやデメリット・メンテナンス方法を解説
(出典:LIXIL T・ルーフシリーズWebサイト)
屋根材Tルーフは、LIXIL(リクシル)が販売する耐久性・耐食性に優れた軽量の屋根材です。屋根材が非常に軽量なため、リフォームに適した屋根材でもあります。
今回は、屋根材Tルーフシリーズについて解説します。また、メリットやデメリット、メンテナンス方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
屋根材Tルーフシリーズとは?
Tルーフシリーズは、日本の建材や住生活産業のトップブランドであるLIXIL(リクシル)が販売している天然石付きの軽量鋼板屋根材です。
LIXILは2011年に、国内の主要な建材・設備機器メーカーである「トステム」「INAX」「新日軽」「サンウエーブ工業」「東洋エクステリア」の5社が統合して誕生した企業です。
Tルーフシリーズの特徴
LIXILのTルーフシリーズの特徴は、耐久性と耐食性に優れ、屋根自体が軽量であることです。屋根材の表面には天然石の粒子をコーティングしており、直射日光や急激な温度変化にも強い性質です。
天然石にコーティングされたアクリルベースコートが、直射日光により硬化することで、石粒にしっかりと定着し経年による色あせを防ぎます。また、天然石は雨音を吸収・拡散する性質もあり、静粛性も持ち合わせています。
屋根材の基材に使われている素材は、耐食性に強いガルバリウム鋼板を採用しています。ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%をメッキ層で形成した鉄のことです。
耐久性や耐熱性に優れ、加工もしやすいことから住宅や事務所、店舗、工場などさまざまな建築物に使用されています。
ガルバリウム鋼板は1平方メートルあたり7kgと非常に軽量です。軽量の屋根材は建物への負担も軽減され耐震性にも有利です。軽量の屋根材はカバー工法などのリフォームにも最適な屋根材といえます。
屋根材Tルーフの種類
屋根材Tルーフは全部で3種類です。
クラシック
クラシックは、瓦屋根のような立体感のあるデザインが特徴です。天然石がコーティングされていることで、より重厚感を感じる屋根材です。
カラーバリエーションは、「チャコールグレー」「ライトグレー」「ディープグリーン」「ペッパー」「ダークブラウン」「シナモン」の6種類です。
ヴェルウッド
ヴェルウッドは、フラットなデザインに波形の模様が施されています。カラーバリエーションも「チャコール」と「ブラウン」の2色で、シックな色合いが特徴です。
モダン
モダンは立体的でグラデーションが魅力の屋根材です。濃淡のある天然石の屋根材を、段差を付けて配置することで陰影ができ、色のグラデーションがポップな屋根を演出します。
カラーバリエーションは「グリーン」「ブラウン」「チャコール」の3色展開です。
屋根材Tルーフのメリット
この章では、屋根材Tルーフのメリットについて解説します。
耐震性に優れている
Tルーフは軽量で耐震性に優れている点がメリットといえます。Tルーフの屋根材の厚みはわずか0.9mm(ヴェルウッドは0.4mm)しかありません。
重さも約7kg(ヴェルウッドは約6kg)と、一般的な瓦屋根の約50kgに比べて約1/7と非常に軽量です。スレート屋根約20kgと比較しても約1/3の軽さです。
住宅全体の重量バランスは「屋根材」でコントロールするため、屋根が軽いことで重心が低くなり、地震の揺れに強い家ができます。
遮音性に優れている
Tルーフは遮音性にも優れています。屋根材表面にコーティングされた天然石は、光や熱を反射させるだけでなく、雨音なども吸収します。下地材と屋根材の間には、空気が抜ける通風ラインが設けられており、湿気や熱とともに雨音も拡散するため、雨音も静かです。
保証が充実している
Tルーフは、基材であるガルバリウム鋼板が持つ長期の耐食性と、表面にコーティングされた天然石の効果により、耐久性が高く丈夫で長持ちです。
そのため、基材の保証年数は30年、腐食による穴あきや亀裂が発生しないことを保証しています。
さらに、表面の天然石は、著しい変色や色あせ、天然石の剥落(はくらく=はがれ落ちること)の保証も10年です。天然石は長期間塗り替えの必要がないため、コストパフォーマンスにも優れています。
雨水や強風に強い
Tルーフは、下地材と屋根材をビスで固定し、さらに屋根材同士をしっかりとビスで連結させるインターロッキング工法を採用しています。強風時でも屋根材のはがれ落ちを防ぐため、強風に強い構造です。
また、屋根材同士を固定することで、下地材に直接雨水がかかるのを防ぐため、雨水の浸入防止にも高い効果を発揮します。
リフォームに適している
Tルーフは軽量の屋根材のため、カバー工法などのリフォームにも適しています。
カバー工法は、すでにある屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる(カバーする)工事のことです。
カバー工法は屋根材自体が二重構造になるため、強度もアップし、断熱効果も高まります。また、もとの屋根材を撤去しないことから、廃材や廃材処理費用も発生しないため、葺き替え工事よりも費用を抑えられます。
Tルーフは、カバー工法した場合でも瓦屋根よりも総重量は軽くなるため、スレート屋根やシングル屋根、金属屋根からのリフォームにも最適です。
屋根材Tルーフのデメリット
ここでは、屋根材Tルーフのデメリットについて解説します。デメリットを知っておくことで、最適なリフォームができるようになります。
コーティングしている天然石がはがれ落ちることがある
Tルーフは、屋根に天然石がコーティングされていますが、製造時に屋根材の表面を完全に覆う必要があるため多めに付着しており、施工時に余分な石粒が落ちることもあります。
メーカーから出荷された状態では、保護目的で表面にアクリル仕上げコートがされているため、大きくはがれ落ちることはありませんが、時間経過とともに雨水などでアクリル仕上げコートは流れ落ちます。
はがれ落ちた天然石は、雨樋にたまったり、カーポートの上に落ちてきたりする場合があるため、定期的に掃除をして取り除く必要があります。
断熱効果はあまり期待できない
表面にコーティングされた天然石は、石の凹凸により熱を拡散し、熱を伝えにくくする効果があります。しかし、スーパーガルテクトのような断熱材と一体となった金属屋根に比べると断熱効果は期待できません。
断熱効果を重視する方は、断熱材一体型の屋根材を選ぶか、Tルーフ施工時に断熱材を一緒に施工してもらうようにしましょう。
工事費用が高い
Tルーフは基本的に輸入品となるため国内での流通量は少なめです。輸入による輸送費などの諸費用がかかるため、一般的なガルバリウム鋼板よりもやや割高になる傾向にあります。
屋根材Tルーフのメンテナンス方法
屋根材は材質によって、塗装を含めたメンテナンス工事を必要としますが、Tルーフは表面が天然石で覆われているため塗装による工事が不要です。
ここでは、屋根材Tルーフに向けた「カバー工法」と「葺き替え工事」でのメンテナンス方法について解説します。
カバー工法
カバー工法は、Tルーフにとって最適なリフォーム方法のひとつです。
Tルーフは軽量な屋根材のため、スレート屋根やシングル屋根、金属屋根からでも、総重量が軽くできるため、耐震性にも有利になります。
カバー工法は、もとの屋根材を撤去する必要がないため廃材が出ません。廃材が出ないことで処分にかかる費用も抑えられ、葺き替え工事に比べて工期も短くできるのがメリットです。環境にもやさしいリフォーム工事といえます。
ただし、すでに雨漏りしている、雨漏りの症状が発生している場合はカバー工法は適していませんので、葺き替え工事になります。
工事費用は90〜110万円程度が目安となります。工事期間は5日程度で完了できるでしょう。
葺き替え工事
葺き替え(ふきかえ)工事は、すでにある屋根材を下地材や防水シートなどすべて撤去してから、新しい屋根材を設置する工事になります。
屋根材や下地材などの劣化が激しい場合や、雨漏りしている場合は雨漏りの根本的な解決になるため、葺き替え工事をおすすめします。
葺き替え工事は、もともとの屋根材や下地材などの撤去が必要です。撤去費用・処分費用がかかってくるため、カバー工法よりも費用は高くなります。
工事費用の目安としては、130〜200万円程度です。工事期間は、もとの屋根を解体する工程が必要なため、7〜10日程度を見ておくとよいでしょう。
屋根材Tルーフのご用命はR-primeまで!
屋根材Tルーフシリーズは、LIXIL(リクシル)が販売している天然石付きの軽量鋼板屋根材で、耐久性と耐食性に優れています。
Tルーフは「クラシック」「ヴェルウッド」「モダン」の3シリーズを展開しています。屋根の基材はガルバリウム鋼板のため非常に軽量で耐震性に有利です。
さらに、表面にコーティングされた天然石は雨音なども吸収する効果もあり、遮音性にも優れています。基材の保証も30年、天然石の保証も10年と保証体制も充実しています。
デメリットとしては、天然石がはがれ落ちてくることもあるため、雨樋などに詰まることもあるため定期的な清掃が必要になる可能性があります。
また、輸入品のため工事費用も高くなりがちです。設置するための工事費用は高くはなりますが、耐久性が高い屋根材ですので、のちのメンテナンスを考えれば、コストパフォーマンスはよい屋根材といえます。
今回ご紹介したメリットやデメリットをよく理解したうえで、適切なメンテナンスをするようにしましょう。
われわれR-primeは、屋根修理や雨漏り修理の専門業者です。
横浜市でTルーフのリフォームをお考えの方は、ぜひR-prime(アールプライム)へご相談ください。お電話での相談や現地調査、見積もりは無料で承っております。
職人直営店ですので、お問い合わせから施工、アフターフォローまで自社職人が責任を持って対応いたします!
あわせて読みたい
屋根材FSストーンとは?メリットやデメリット・メンテナンス方法を解説
(出典:福泉工業株式会社公式サイト) 「FSストーン」という
スレート屋根の寿命やメリット・デメリットを解説
スレート屋根の寿命はご存知でしょうか? スレート屋根は昔から
エコグラーニとディプロマットスターの違いは?
屋根のリフォームを検討する際、エコグラーニとディプロマットス