屋根の豆知識

屋根材タフビームとは?メリットやデメリット・メンテナンス方法を解説

タフビーム

「タフビーム」という屋根材をご存知でしょうか。屋根材タフビームは、月星商事株式会社が販売する水密性に優れた屋根材です。タフビームは、かん合縦平葺きを採用しており、水が浸入しにくい構造のため雨漏りしにくい屋根のひとつです。

今回は、屋根材タフビームの特徴やメリット・デメリットについて解説します。加えて、屋根材タフビームのメンテナンス方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

屋根材タフビームは水密性の高い金属屋根

ここでは、屋根材タフビームの特徴やラインナップについて解説します。

タフビームの特徴

タフビームの特徴は、以下の3点です。

・吊子不要の一体構成
・水密性に優れた高防水仕様
・アーチ屋根にも対応したシャープな外観

それぞれ解説します。

【吊子不要の一体構成】

タフビームは施工性に優れています。吊子(つりこ)とは、屋根材や外壁の下地に固定する際に使用する部品のことです。

タフビームは、屋根材の両端にはめ込み型の突起形状になっているため、施工の際は屋根材同士を「かん合(ごう)」と呼ばれる突起形状にはめ込み、上から踏み込むだけで固定が可能になります。上下にはめ込みながら施工するため、留め金具が露出せずにサビやクギの抜け防止になります。

【水密性に優れた高防水仕様】

タフビームは雨漏りにも強い屋根材です。水密性とは、雨水の浸入をどの程度防げるかを示す性能のことです。屋根材の両端にあるかん合部が屋根材同士を重なり合い密着するため、水が浸入しにくい構造になっています。

さらに、かん合部に防水テープやシーリング材を充てんをするため、さらに密着性が上がり水の浸入を防いでいます。

【アーチ屋根にも対応したシャープな外観】

タフビームは、最小曲げ半径3mRが可能で、曲面の形状にも対応しています。体育館などのかまぼこ屋根と呼ばれるアーチ形状の屋根にも適しています。

また、屋根材の表面はシャープな外観ですっきりとした印象です。屋根材の形状は「フラットタイプ」と「さざ波タイプ」の2種類があります。

タフビームのラインナップ

タフビームのラインナップは全部で3種類設定されています。板の幅が333mmの「MSタフビーム333」と「MSタフビーム333WS」、455mmの「MSタフビーム455」「MSタフビーム455WS」です。末尾につく「WS」は、かん合部に防水テープが施工された防水工法のことです。

また、かん合部の高さが高くなり、しっかり固定できるタイプの「MSタフビームⅡ42」「MSタフビームⅡ42WS」もラインナップされています。

タフビームは雨漏りに強いかん合縦平葺き

ここでは、タフビームの施工方法と種類について、もう少し詳しく解説します。

かん合縦平葺とは

タフビームはかん合(ごう)縦平葺き(たてひらぶき)工法を採用しています。かん合縦葺きとは、軒に対して垂直に屋根材を施工していく工法のことです。イメージとしては、縦縞(ストライプ)とお伝えすればわかりやすいでしょうか。

縦平葺きのほかに、横葺きがあります。横葺きは軒に対し平行に設置していく工法です。こちらは横縞(ボーダー)のイメージです。

屋根の頂上の棟から軒まで、段差などの障害物が何もないため、排水性に優れています。棟から雨水が一直線に軒まで流れていきますので、雨水が屋根に溜まりにくく、雨漏りに強い構造です。横葺きよりも縦平葺きの方が防水性に優れています。

縦平葺きの固定方法

縦平葺きの固定方法は2種類あり、「ハゼ葺き(ふき)」と「かん合」に分かれています。「ハゼ葺き(ふき)」は、屋根材同士のつなぎ目部分を、折り曲げ加工して固定する施工方法です。

ハゼ葺きは、木材の芯材を使用せずに、板金同士で固定するため腐食する部分がないことが特徴です。ハゼ葺きは、加工の手間や漏水も多いため、あまり使用されなくなっています。

一方、「かん合」は、加工済みの突起形状に、上から踏み込むだけで固定が可能になるため、施工がかんたんです。近年はかん合式が主流となっています。

屋根材タフビームのメリット

メリット

ここでは、屋根材タフビームのメリットについて解説します。

メンテナンス性に優れている

屋根材タフビームは、かん合式により、上から踏み込むだけで固定ができます。さらに、縦平葺きには心木が使用されていないため、腐食の心配がなく、メンテナンス性に優れています。

縦平葺きによく似た構造で、瓦棒葺きの屋根があります。瓦棒葺きは屋根材の固定に木材を使用するため、木材が腐食することで、雨水が浸入し雨漏りにつながることがあります。

タフビームには心木が使用されていないため、木の腐食による交換が発生しないため、メンテナンスしやすいことがメリットです。

勾配2.5寸未満の屋根でも施工可能

屋根材タフビームは、縦平葺きにより雨水がスムーズに排出できます。屋根の頂上である棟から軒にかけて障害物がないため、屋根に雨がたまりにくい構造です。そのため、勾配2.5寸未満の傾斜がゆるい屋根でも施工が可能です。

耐久性が高い

タフビームの屋根の素材はガルバリウム鋼板です。ガルバリウム鋼板はトタン屋根などに比べて約3〜6倍もの耐久性があります。

ガルバリウム鋼板の素材は、マグネシウムを加えることで、酸やアルカリに対する耐久性のバランスがよいためサビに強い耐食性も持ち合わせています。

短い工事期間で施工が可能

ほかの屋根材に比べても短い工期で施工が可能です。タフビームは屋根材の両端に、はめ込み型の突起形状のため、上から踏み込むだけで固定が可能になります。

隣り合う屋根材同士をはめ込むだけのため、施工スピードも早く、工期も短く完成するのもメリットです。

耐震性に優れている

タフビームは、1㎡あたり4〜5kgと軽量です。屋根に重さが加わると重心が高くなり、地震が来たときの揺れが大きくなります。

屋根が軽くなると重心が下がり、揺れが小さくなることで耐震性が高くなります。瓦屋根やスレート屋根から葺き替えることで、地震に強い家になります。

屋根材タフビームのデメリット

デメリット

ここでは、屋根材タフビームのデメリットについて解説します。

複雑な屋根の形状には施工できない

屋根材タフビームは、長い一枚のガルバリウム鋼板で作られているため、複雑な形状の屋根には施工できません。厳密にいうと、長さを短く加工すれば施工はできます。

ただし、長さに合わせて切断などの加工の手間が発生するため、向いていないといった言い方の方がよいでしょう。タフビームの特徴である縦平葺きは、切妻や片流れなどの、シンプルな屋根の形状の施工に向いた屋根材です。

雨音が響く

素材であるガルバリウム鋼板のデメリットとしては、雨音が響くことです。

断熱材と一体となったガルバリウム鋼板であれば、雨音は抑えられますが、タフビームは一体成型ではありません。雨音の対策としては、遮音性に優れたシートや断熱材を敷くことで雨音は軽減できます。

室温が上がりやすい

タフビームの屋根は金属素材であるため、熱を吸収しやすくなることがデメリットです。

外の気温に左右されやすくなるため、夏の暑い時期は室内の温度が上昇し、冬は気温が低くなるため室内も寒くなってしまいます。解決方法としては、断熱材を加えることでデメリットをカバーできます。

屋根材タフビームのメンテナンス方法

ここでは、屋根材タフビームのメンテナンス方法について解説します。

塗装

金属製の屋根は塗装が必要ないと思われるかもしれませんが、長く住むためにも塗装は必要です。塗装をすることで、防水性を高め、素材を守ることができます。また、ツヤも出るため見た目の印象もよくなります。

塗装は使用する塗料にもよりますが、塗料の寿命は10年程度です。10年をひとつの目安にメンテナンスするとよいでしょう。塗装後は、定期的に点検をしていくと、より寿命を延ばすこともできます。

カバー工法

タフビームはカバー工法でのメンテナンスにも向いています。カバー工法はすでにある屋根材の上からかぶせる工事になります。

カバー工法は、屋根が二重になるため重量が増し、耐震性にも影響があります。そのため、重ねる屋根材は軽量なものが適しています。タフビームは約4〜5kgと軽量な屋根材になるため、カバー工法でのメンテナンスにも向いているでしょう。

工事費用は1㎡あたり9,000円〜12,000円程度です。工事期間は5日程度をみておくとよいでしょう。

葺き替え工事

葺き替え工事は、すでにある屋根材を一度すべて撤去してから、新しい屋根材を設置する工事です。雨漏りしている場合や屋根材の劣化が激しい場合は、葺き替え工事になります。

重さのある瓦屋根やスレート屋根から変更することで、屋根が軽くなり耐震性が向上します。工事費用は1㎡あたり解体処分費用含めて、10,000円〜16,000円程度です。

アスベストを含んだ屋根は別途アスベストの処分費用が発生します。工事期間は7日〜10日程度をみておくとよいでしょう。

まとめ:屋根材タフビームのご用命はR-primeまで!

今回は、屋根材タフビームの特徴や、メリット・デメリットについて解説しました。タフビームは、吊子不要の一体構成のため、上から踏み込むだけで施工が可能です。メンテナンス性に優れ、短い工期で施工が可能です。

また、縦平葺き構造で雨水がたまりにくいため、勾配2.5寸未満の屋根でも施工可能です。

ただし、金属製の素材のため、雨音が響いたり、遮音性が低いのはデメリットといえます。

タフビームは、接妻や片流れ屋根などのシンプルな形状に向いており、断熱材を追加することで、断熱性や遮音性もカバーできるのでおすすめです。

R-primeは、横浜市都筑区を中心に展開する、地域密着型の屋根修理・雨漏り修理専門業者です。屋根に関するご相談やお見積、現地調査は無料で行います。屋根材タフビームをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

R-prime代表 栗田元気
R-prime代表 栗田元気
横浜市の屋根修理・雨漏り修理はR-primeにお任せください!お客様のご要望やライフプランに合わせた屋根修理・屋根工事をご提案させていただきます。
職人直営店ですので、お問い合わせから施工、アフターフォローまで自社職人が責任を持って対応いたします!

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