屋根の豆知識

塩害対策も万全!屋根と外壁のメンテナンス方法

塩害が屋根や外壁に与える影響をご存知でしょうか?

海が見える場所で暮らしてみたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、海の近くの地域は、しっかりと塩害対策をしなければ、屋根や外壁などが通常よりも早く劣化してしまうこともあるのです。

そこで今回は、塩害地域の屋根と外壁のメンテナンス方法について解説します。この記事を読むことで、塩害に強い住宅づくりができ、長く住めるようになります。ぜひ、参考にしてください。

塩害とは

塩害とは、塩分を含んだ海水や潮風が植物を枯らしたり、建築物を腐食させたりする劣化現象の総称です。凍結防止剤の散布によっても塩害の被害を受けたりします。

海水は塩分を多く含んでおり、塩分を含んだ海水が蒸発することで、海の目の前の建築物だけでなく、潮風によって離れた地域でも塩害の影響を受けることがあります。

海沿いだけでなく、塩害の被害を受けると想定される地域は塩害対策が必須となります。

塩害の影響を受ける範囲

実際に塩害の影響を受ける範囲はどの程度なのでしょうか。

一般的には2km圏内が塩害地域と指定されていますが、地域によって異なります。たとえば、北海道の太平洋側は2km以内ですが、北海道や東北の日本海側は7km以内と広範囲が指定されています。関東や東海近畿などは2km以内です。

風の影響を受けやすい地域や台風などの際は、10km離れた地域での塩害の被害が起こることもあります。海から近い地域は、「潮の香りがする」「風が潮でべたつく」などが塩害の影響を受けている目安になります。

また、雪が多い地域では凍結防止剤がまかれます。凍結防止剤で使用される塩化ナトリウム(塩)は、サビの発生を促進させる働きがあるため、雪の多い地域でも塩害の影響を受けてしまいます。

塩害によって起こる問題

ここでは、塩害によって、どのような現象が起こるのかを解説します。

金属部分が腐食する

上述しているように、金属部分の腐食はもっとも多く、もっともわかりやすい劣化現象です。金属が使われている屋根材や外壁材、手すり、サッシなどはサビが発生しやすくなります。

サビはコンクリート内部に使用されている鉄筋に対しても起こります。コンクリートのひび割れなどが起きているものは、ひび割れた隙間から塩分が入り込み、内部の鉄がサビるだけでなく、ひび割れも促進させてしまいます。

サビを放っておくと、腐食につながり穴あきが発生します。サビを見つけたら、サビをしっかり落とし、塗装メンテナンスをするようにしましょう。

屋根材・外壁材がはがれる

塩害によるサビが発生することで、屋根材や外壁材がはがれてしまうこともあります。サビが発生すると、劣化が早まり耐久性も落ちます。

サビてもろくなった部分は外れやすくなるため、台風や強風の際は、最悪はがれてしまうこともあるため、劣化が見られた際は早急にメンテナンスする必要があります。

塗料の劣化が早まる

塩分の影響を受けると、塗料の劣化が早くなります。チョーキング(白亜化現象)や色あせ、変色してしまうことがあります。

塗膜が劣化すると、下地材まで入り込み、建物の構造部分にも影響を及ぼしてしまうため、高額な修理費用が発生する前にメンテナンスするようにしましょう。

雨漏りが起こる

塗装の劣化は雨漏りにつながる可能性があるため、色あせや汚れが目立つようになったら塗膜の劣化のサインです。耐用年数に達していなくても、劣化のサインが現れたら塗装メンテナンスが必要です。

塩害に強い塗料

塗料

ここでは、塩害対策として有効な塗料について解説します。塗装メンテナンスをする際の参考にしてください。

フッ素系塗料

フッ素系塗料は、塩害対策として有効な塗料のひとつです。フッ素塗料は、蛍石(ほたるいし)と呼ばれる天然石を原料とし、フッ素樹脂を配合した塗料です。

シリコン塗料やアクリル塗料に比べて価格は高くなりますが、耐候性や耐久性に優れています。紫外線や熱、汚れに強く、色あせや劣化しにくいのが特徴です。耐用年数も15〜20年と長い塗料です。

ピュアアクリル塗料

ピュアアクリル塗料は、通常のアクリル塗料に含まれる不純物を取り除いた塗料のことです。オーストラリアのアステックペイントが製造している塗料になります。

不純物を取り除くことで耐久性が上がり、アクリル塗料の2〜3倍ほどの15年程度は保つとされています。塩害も含め、長期的な建物の保護に向いています。

無機塗料

無機塗料とは、ケイ素やセラミックなどの無機物を主成分とした塗料です。無機物は紫外線の影響を受けにくい性質があり、耐候性や耐久性に優れています。耐用年数も15〜20年と長いのも特徴です。

塩害に強い屋根材

ここからは、塩害に強い屋根材をご紹介します。これから紹介する屋根材は、軽量のためリフォームにも最適です。

スーパーガルテクト

スーパーガルテクトは、アイジー工業が製造販売する金属製の屋根材です。金属は塩害には向いていないのではと思われたかもしれません。

しかし、スーパーガルテクトは、通常のガルバリウム鋼板にマグネシウムを2%添加することで、約3倍の耐久性を高めたサビに強い屋根材になっています。

めっき層の強化を担っている、アルミニウム55%・亜鉛41.4%・マグネシウム2%・シリコン1.6%の構成比が、耐久性が高く腐食にも強い効果をもたらしています。

スーパーガルテクトは、サビへの耐久性を高めたことで、塩害地域でも海岸線より500m以遠までを対象としています。また、穴あき保証25年、塗膜の色あせには15〜20年、赤サビには20年の長期保証を実現しています。

横暖ルーフ

横暖(よこだん)ルーフは、ニチハ株式会社が製造販売する金属製の屋根材です。横暖ルーフも、スーパーガルテクトと同様のめっき層構成比により、高い耐食性を実現しています。

横暖ルーフも塩害に強い屋根として、海岸500m以遠を保証、穴あき25年、色あせ・赤サビは20年の長期保証となっています。

スマートメタル

スマートメタルもめっき層を強化したエスジーエル鋼板を採用した、塩害に強い屋根材のひとつです。スマートメタルは、遮熱性や耐風性にも優れています。日射反射率は40%以上を実現し、紫外線から伝わる熱伝達を抑制します。

耐候性は、風速60m/sの強風にも耐えられる設計となっており、台風などの強風だけでなく、海風にも強い効果を発揮し、屋根材の飛散やズレにも強い構造となっています。

塩害に強い外壁材

これまで塩害に強い屋根材をご紹介しましたが、ここからは塩害対策におすすめな外壁材についても解説します。

ガルバリウム鋼板

外壁材にもガルバリウム鋼板があります。表面のセラミックコーティングが、サビの発生を抑え、塩害の影響によるサビや腐食を防ぐことができます。

タイルサイディング

タイルサイディングも塩害対策に有効な外壁材のひとつです。タイルサイディングは、その名のとおり、タイルで構成されている屋根材です。

タイルは、粘土を高温で板状にしたもので耐久性に優れています。耐候性も高く、汚れにも強いため、容易に清掃やメンテナンスが可能です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主成分とした屋根材です。施工時にシーリング材を使用しないことから、外壁材同士のつなぎ目が目立ちにくく、シーリングの劣化によるメンテナンスも必要ないのが特徴です。

塩化ビニル樹脂は、サビや腐食の不安がほとんどないため、塩害対策として用いられます。吸水性も低いため、凍害にもなりにくく、凍結防止剤の影響がある寒冷地にも適しています。

デメリットとしては、日本国内ではシェアが1%程度と少ないことです。施工できる業者が限られてしまうのが現状です。

塩害から守るメンテナンス方法

塩害の被害を最小限にするためには、日ごろのメンテナンスが非常に重要となります。定期的にメンテナンスをして、塩害から大切な住まいを守りましょう。

定期的に水で洗浄する

建物に付着した塩分は、水で洗浄することで落とせます。年に数回程度でよいので、ホースで水をかけて流してあげるようにしましょう。水で洗浄するのは、手の届く範囲で構いません。屋根は雨水などで洗い流してくれます。

下地処理はとくに丁寧に行う

サビが発生した際のメンテナンスは、サビを完全に落とし、サビ止めを塗ってから再塗装することです。サビの処理を怠ると、塗装してもすぐに劣化するため、丁寧に行うようにしましょう。軽度なサビであればご自身で行うことも可能です。

耐候性の高い塗料を使用する

耐候性の高い塗料を使用することで、汚れがつきにくくなります。上述したフッ素塗料、ピュアアクリル塗料、無機塗料はおすすめです。

塗装にかかる初期費用は高くなりますが、汚れにくく、耐久性も向上することで、メンテナンスの頻度が少なくなります。施工後は、塗装にかかる費用が節約できますので、結果としてコストパフォーマンスが高くなります。

塩害に強い屋根材・外壁材へ交換する

塩害に強い屋根材は上述しているとおり、サビや穴あきに対する保証が長期です。20年や25年と長いのは、サビに対して強いことを示しています。

塩害対策としてリフォームをする場合は、塗装メンテナンスだけでなく、予算が許すのであれば、カバー工法や葺き替え工事もおすすめです。

上述したスーパーガルテクトなどは、軽量のため、葺き替え工事であれば耐震性にも有利になります。

まとめ:塩害対策のメンテナンスはR-primeへ!

今回は塩害対策として、屋根と外壁のメンテナンス方法について解説しました。

塩害は、潮風が植物を枯らしたり、建築物を腐食させたりします。塩害の影響は、海の周辺の地域だけでなく、潮風によって海から距離のある地域でも塩害の影響を受けることがあります。

塩害の被害を受けることで、外壁や屋根材の腐食やはがれてしまうこともあります。塗膜の劣化も早まってしまうことで、雨漏りにつながる場合もあります。

塩害の対策としては、塩害に強い塗料・外壁材・屋根材に交換することで、塩害の被害を最小限に抑えられます。塩害を放っておくと、雨漏りにつながりますので、定期的に水で清掃したり、早めにメンテナンスしたりすることが大切です。

R-prime(アールプライム)は、横浜市周辺の塩害対策のお手伝いが可能です。ご相談や現地調査、お見積りは無料で承ります。塩害対策をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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